塾に行っても成績が伸びない3つの原因
塾に行っても成績が伸びない3つの原因
皆さん、こんにちは。
私が学習塾の塾長をしていた頃、保護者の方から
「塾に行っても成績が伸びない」と言われて塾を退会していくケースがよくありました。
これを読んでいるあなたのお子さんは大丈夫ですか?
保護者の方からすれば、「高いお金を払って塾に通わせているのに・・・」と思うのでしょうが、実は私の経験上、成績が上がらない原因のほとんどは生徒側にあると言えます。
(これを正直に保護者の方に言うとクレームになりますが・・・汗)
そこで今日は、なぜ塾に通っても成績が上がらないのか、その原因と解決方法について
書いてみたいと思います。
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うちの子どもはなぜ塾に行っても成績が上がらないのか
あなたは「うちの子どもはなぜ塾に行っても成績が上がらないのか」と疑問に思っていませんか?
実は、そのように悩む親御さんは多くいます。
そのため、「塾が悪い」「先生の教え方が悪い」「うちの子どもには合わない」などの塾批判をして、また別の塾に通わせる・・・という方が後を絶ちません。
こうしてヒドイときには、「この塾が5ヶ所目です」なんてこともあったりしますが、私はこのように短期間でコロコロと塾を変え渡り歩いている人を「流浪の民(るろうのたみ)」と密かに呼んでいます。
まずここで強調しておきたいことは、前提として、子どもの成績アップを考えたとき、成績が伸びないことを「他責」にしてはいけませんということです。
つまり、あなたの子どもの成績が上がらない・伸びないのは塾のせいでもなく先生の教え方が悪いわけでもない。子ども自身の責任以外の何ものでもないということです。
先ほども書いたように、「成績が伸びないから塾を変える!」と言って塾を辞める方がいますが、ほとんどのケースでは生徒自身に原因がある場合が多いです。
塾や先生のせいにして塾を変えている限り、成績が大きく向上することはないでしょう。
原因は自分自身(生徒)にある!という意識で改善をしていかないと解決しませんので、まずはそのことをよく覚えていて下さい。
それを前提とした上で、成績が上がらない原因を大きく3つのレベルに分けて書いてみたいと思います。
自分の子どもが今どの位置にいるか確認して読んでみて下さい。
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成績が上がらない原因(1)テストで70点以上取れている場合
テストで70点以上取れるけど、そこからなかなか成績が上がらない・・・というケースの場合は、まだ成績を伸ばせる余地があります。
このレベルの子どもは学習内容を理解できるだけの知的レベルを持っており、しかも現時点で基本的な問題を解く力は身に付いています。
ですので、ここからがなかなか伸びないんだよね~という場合は「応用問題を解く力」が必要になります。
しかし、応用問題はその名のとおり「応用」なので、テストの際に初めて見てそれを解くのはかなり困難です。
よほど頭の回転が早い生徒でなければ初見で解くことは難しいでしょう。
ではどうするかと言うと、応用問題は出題されるパターンを徹底的に反復することです。
70点は取れているレベルの生徒が「成績が伸びない」という場合、大抵は応用問題の反復練習が足りていません。
よく出題される応用問題のパターンは、ある程度決まっていますから、まずは解説を読むなり先生に解説してもらうなりして解き方を理解しましょう。
それができたら、あとは自力で解けるようになるまで、同様の問題を反復するのみです。
このレベルの生徒は同様の問題を2~3回も反復すれば、できるようになるはずです。
受験では稀に一般的なパターン外の問題が出題されますが、ある程度の応用問題の解決方法を理解できていれば、初めて見る問題にもかなり応用が効くようになっているはずです。
「それでも解けない!」という場合は、大抵、他の受験生も解くことができない高レベルの問題ということですので、できなかったとしても、あまり気にする必要はありません。
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成績が上がらない原因(2)40~69点しか取れていない場合
学校のテストで40~69点レベルの生徒は、応用問題については完全に理解不足&反復練習不足のです。
そもそも「応用問題については、手をつけていない・・・」という生徒も多いはずです。
しかし、このレベルの生徒は自分で問題集の解説を読んでも応用問題の解き方を理解できないと思います。
ですから、まずは塾の先生なり学校の先生に質問し、解き方を教えてもらいましょう。
まずは、よく出題される応用問題のパターンを3つくらいに絞って解き方を理解したら、あとはできるようになるまで同様の問題を反復練習しましょう。
最低でも3回は同じ問題を解き直して、自分の力でしっかりと解答を導き出せるようにしておく必要があります。
そして、このレベルの生徒は
基本的な問題についても「抜け、漏れ」があります。
なぜかというと、勉強量が足りていない、反復練習不足だからです。
基本的な問題については、ある程度自分だけで理解できるはずですから、ケアレスミスがなくなるまで徹底的に反復練習をすることです。
このレベルの子どもたちも、塾で課された課題をきちんとこなしていれば普通は成績があがるはずです。
「成績が上がらない」のだとすれば先生の説明をきちんと聞いていないか、練習量の不足が原因ですから、本人の努力不足と言われても仕方ありません。
塾や先生のせいにしている間は、成績が伸びることはないでしょう。
自宅での勉強量を増やして成績を上げる方法については、こちらの記事をご覧ください。
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成績が上がらない原因(3)39点以下の場合
このレベルの生徒は、更に下記のとおりに分けられます。
①成績が伸びないのは、能力はあるが勉強へのモチベーションが非常に低いから
②成績が伸びないのは、理解できる能力がないから
成績が伸びないのは、能力はあるが勉強へのモチベーションが非常に低いから
「能力はあるが勉強へのモチベーションが非常に低い」という場合は、学習内容のロジックをある程度理解できる知的能力はあるので、あとはいかにモチベーションを上げてやれるかということになります。
そこで、こういったタイプの子どものモチベーションを上げる私のオススメとしては、
「小さな成功でもたくさん褒める」
という解決方法です。
たとえば30点だった生徒が40点を取ってきた場合、親御さんであるあなたは、どう声をかけますか?
「なんで、あんたは、こんな点数しか取れないの!」
とついつい叱ってしまう親御さんをたくさん見てきましたが、
それは絶対にNGです。
「今回は40点になったの!?すごい!!」と、少し大袈裟なくらい褒めてあげましょう。
親に褒められるというのは、子どもにとってかなりのモチベーションアップにつながります。大人だって褒められたら嬉しいですよね?
私が所属していた塾でも、生徒の成績を伸ばす解決方法として「たくさん褒める」ということは推奨されていました。
また、私はあまり好きな方法ではありませんが、最終手段として「ニンジン」で釣ることも一つでしょう。
「〇〇点以上取れたら、これを買ってあげる!」、「お小遣いをアップしてあげる!」
という条件を示すと、やる気になる生徒もけっこういます。
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成績が伸びないのは、理解できる能力がないから
塾に勤めていた頃の経験から言えば、残念ながら一定の割合で「理解できる能力がない」いう子どもがいました。
たとえば次のようなケースです。
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「ADHD」で多動・注意欠陥がある
ADHDの傾向を持つ子どもは意外と多くいます。1クラス40人としたら、その中に2~3人はいるイメージでしょうか。
ネックなのは、親が自分の子どものADHDを把握していない、もしくはADHDを指摘されても認めたがらない場合です。
ADHDは必ずしも知的障害があるわけではなく、むしろ知的な能力は高いケースさえありますので、親が認めたがらないのも理解はできます。
しかし、小学生のADHDで多い「多動」。この場合は塾の授業時間中、じっと学習に取り組むことができません。
奇声をあげてみたり、立ち歩いて他の生徒の邪魔をしてみたり、テキストに落書きをしてみたり・・・と、到底、学習内容が身につく状況ではないのです。
中学生以上では「注意欠陥」の傾向が悪影響を及ぼします。プラス、マイナスの簡単な計算問題でも、どうしても計算ミスが生じてしまいます。
先生とやり方を再確認して、もう一度解かせてみるのですが、やはり同じようなミスがでてしまい、学校のテストでも思うように成績が上がりません。
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「学習障害」がある
「学習障害」とは、特定の科目だけどうしても理解できないという脳機能の障害です。
ハリウッド俳優のトム・クルーズ氏や、女優のキーラ・ナイトレイ氏などが「文字を読むことが極端に苦手で、台詞を覚える際には誰かに読み上げてもらって台詞を覚える」というようなことを公表して「学習障害」の認知が一気に広まりましたね。
彼らの場合は「識字能力」に障害があるケースですが、「数字の認識」に障害があるケースもあります。
実際に私の教え子の中学生でも、この障害を持っていると疑われる生徒がおり、その子は何度もマンツーマン指導をして付きっ切りで数学を教えたにもかかわらず、結局最後まで中1の数学さえ理解することができませんでした。
他の科目は80点取れるのに、どうしても数学だけ20点しか取れない・・・といった場合は、特に学習障害を疑いましょう。
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「軽度知的障害」がある│知的レベルが「グレーゾン」である
また、複数の科目にわたってテストで30点以下しか取れないという場合は、「軽度知的障害がある」、「知的レベルがグレーゾーンである」というケースが少なくありません。
知的障害まではいかないものの、軽度知的障害と疑われる「知的レベルがグレーゾーンの生徒」の場合は、残念ながら小学校高学年以上の学習を理解できる能力がありません。
こういった生徒は、何度教えても小数や分数の割り算でミスを繰り返してしまったり、中学生で習う「証明」の問題などは、もはや理解不能と言わざるを得ません。
親御さんとしては、自分の子どもが知的にグレーという事実をなかなか受け入れるのが難しいと思いますが、このケースの場合は残念ながらいくら塾に通っても成績は上がりません。
お子さんのためにも、まずは専門の機関に相談してIQテスト等を受験してみて下さい。
本人にとっても、普通学級でチンプンカンプンな問題を一日中やらされるのは非常に苦痛だと思います。
それよりは、支援学級などに移り、その子に合ったフォローを受ける方が幸せではないでしょうか。
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成績が伸びない原因が、このように子どもが生まれ持った能力に起因する場合は、本人の努力でどうにかなるものではありません。
ですので、残念ですが塾に通っても成績は改善されないでしょう。
少しでも早く医学的な診断を受け、必要な支援を受けながら自立を目指すことが大切です。